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2016年12月1日

H28年度 第11回 固体物理セミナーを開催します

H28年度第11回 固体物理セミナー

日時:12月1日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科講義棟 B104
講師:鬼丸 孝博(広島大学大学院先端物質科学研究科 准教授)
題目:「非クラマースPr1-2-20系の四極子自由度が誘起する多彩な物性」

要旨:希土類金属間化合物では,伝導電子を介した磁気モーメント間の間接相互作用と近藤効果の競合により,重い電子状態や量子臨界現象,それらに付随した非フェルミ液体状態や非従来型超伝導などの興味深い現象が生じる。これらの現象では磁気モーメントの秩序や揺らぎが主役であったが,最近になって,高次のテンソル量である「電気四極子」の重要性が指摘されている。四極子は4f電子の異方的電荷分布に対応し,時間反転対称性が保たれるという点で磁気モーメントとは異なる。われわれは,4f2配位の非クラマースPr3+イオンを含むカゴ状化合物PrT2Zn20 (T: 遷移金属)について研究している。結晶場基底状態は非磁性二重項であり,そこで活性となる電気四極子と伝導電子の相互作用により,四極子秩序や超伝導転移,構造相転移などの相転移や,非フェルミ液体状態,磁場誘起の重い電子状態などの多彩な物性が発現する[1-3]。同型構造をとるAl系やCd系を含むPr1-2-20系でも非磁性基底二重項に起因した類似の現象が報告されており[4,5],四極子に関する系統的な研究が展開されている[6]。

[1] T. Onimaru et al., J. Phys. Soc. Jpn. 79, 033704 (2010).
[2] T. Onimaru et al., Phys. Rev. Lett. 106, 177001 (2011).
[3] T. Onimaru et al., Phys. Rev. B 94, 075134 (2016).
[4] A. Sakai and S. Nakatsuji, J. Phys. Soc. Jpn. 80, 063701 (2011).
[5] D. Yazici et al., Phys. Rev. B 91, 115136 (2015).
[6] T. Onimaru and H. Kusunose, J. Phys. Soc. Jpn. 85, 082002 (2016).

問合先:基礎工学研究科 関山 明

*固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナールⅢ」に該当します。