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カデットプログラム後援セミナー

2014年6月11日

日時:2014年6月11日(水)13:00-15:00
場所:理学研究科 H棟3階コミュニケーションスペース

講師:佐々木 祥介
(大阪大学大学院理学研究科附属先端強磁場科学研究センター 招へい教授)
タイトル:量子ホール効果における新しいトンネル実験の提案

要旨:
分数量子ホール効果は、多電子効果による準粒子が生み出す現象と言われています。分数電荷をもつLaughlinの準粒子やJainの偶数の磁束量子と結合したcomposite fermionが原因で、分数電荷に相当する磁場で、ホール抵抗の平坦部ができると考えられています。電子間クーロン相互作用を無視すると、電子の固有方程式は解け、ランダウの解になります。この解には分数状態はありません。そこで、この効果は、クーロン相互作用から出てくるはずです。R. Tao と D.J. Thoulessは、相互作用を摂動論的に考慮しましたが、特定な分数値での安定性を解明できませんでした。我々は、その理論を発展させました。クーロン相互作用は、2電子間に働きます。特定な分数の充填率(電子数/軌道総数)で、この対電子のクーロン遷移数が不連続的に変化し、それが分数量子ホール効果を生むことが分かりました。また、この電子対の相互作用から、スピン偏極を求めると、I.V. Kukushkin 等の実験結果とよく合うことも分かりました。そこで、準粒子が、1) 分数電荷をもつのか、2) composite fermionか、3) 電子対か、を調べる実験を考えました。この実験では、量子ホールデバイス中に、特別な障壁を作り、トンネル効果を調べます。この提案を含めて、分数量子ホール効果を議論します。

担当の連絡先:理学研究科 物理学専攻 小林研介

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