第2回外部評価報告

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平成27年4月28日

大阪大学インタラクティブ物質科学・カデットプログラム
第2回外部評価委員会・講評概要

1. プログラムの進捗状況(評価できる点など)

  • 全体的にたいへんうまく運営されている。このプログラムに入った学生は幸せであり、将来多くの点で良い効果を身につけることができる。
  • 目標達成に向けて各WGのプログラムがほぼ確立されつつあり、プログラムに従った活動が実践され、着実に成果を上げていることが確認できた。
  • カデットプログラムならではの実績(視野の拡大、異分野融合、新アイデア創出、育成)が見えてきた。
  • 計画を着実に実行し、成果を挙げつつあると評価する。インターンシップ、研究室ローテーション等にとられる時間は少なくないので履修生には苦しい所もあると思われるが、履修生と面談した限りでは、きちんとこなしていると感じた。
  • 研究室ローテーション、国内研修、企業訪問、海外研修は魅力的なプログラムである。
  • 本人の専門外の領域に興味を持ちそこにアクセス、知人の獲得、そこから刺激を得ての意識の高まりにつながっており、価値ある進捗に結びついている。
  • 奨励金について、自分の興味が出てきた領域での学会、セミナー参加や博士課程進学についての両親の説得につながるなど、役立っているようだ。

2. 意見(改善を要する点、留意すべき点、助言等)

-プログラムについて-

  • 産官学のリーダー人材を目指す方向はすばらしい。現在のプログラムで欠けているところがあるとすれば「ディベート力養成」の部分かもしれない。将来デファクトスタンダードを日本で取るような人材にはディベート力も重要になるからである。
  • これだけ良いプログラムなのに応募の競争率がそれほど高くないのが何故か。理由を良く見極める必要があるのではないか。
  • 物質科学の研究は新しい原理・材料の開発も重要だが、日本の強みとしての「ものづくり」の視点に立った教育も必要。特に、材料の知識はあってもどのように(効率的に)つくるのか?どのような使い方(市場)をするのか?などの観点を学生に考えさせるべき。その意味で国内研修は重要。
  • 研究開発は論文・特許だけでは現状の理解はできない。その背景となる文化(異分野の研究、企業体質)について学生同士はもちろん著名な先生の話を聞く、国際シンポジウムに参加する、そして企業訪問などのface-to-faceでの交流が重要であり活動の継続強化を望みます。
  • 学内に限らず、関係する国内外の大学、研究機関との連携による国際的な物質科学の研究者の養成を目指すことも考慮して欲しい。
  • 学生を9年間同じ大学に留めておくことを強制するプログラムでもあり、研究室ローテーションや企業インターンシップなどではこの不利を補えない。何かの工夫が必要ではないか。

-履修生について-

  • 面談した学生は快活で良いと思う。ただし、誰1人自分のテーマに疑問を持っている気配がなく、これでは大きな成長は望めないと思った。
  • 本プログラムを通じて、①異分野、関連/周辺分野の情報収集のクセをつけること、②それによる目利き力の養成、③世の中がどう変化していくのかという見方・考え方に慣れることにつながることを期待する。

-指導教員について-

  • 教員の負担を減らす工夫が必要。
  • 学生の実活動の約20%が本プログラムに費やされ、時間的に拘束されていることが気になる。しかし、5年間の長期的な視点、あるいは将来に対するコンピタンシーの向上を重視していることを学生に指導して欲しい。
  • 「企画力」を養うという視点からは、創造性の重要性、そのために幅広い知的データベースを個人として持つことをしっかり意識付けしてほしい。そして、そのベースになるのは、「自分は何を達成したいのか?」という強い想いであることを肝に銘じるよう指導して欲しい。
  • 修了生が産業界におけるの活躍の模範となり、採用増となる好循環を作れるよう、ご指導をお願いしたい。企業も協力したい。

評価委員 (◎は委員長)
青野正和(物質・材料研究機構)
上田恭義(株式会社カネカ)
潮田浩作(新日鐵住金株式会社)
長我部信行(株式会社日立製作所)
小間 篤(秋田県立大学)
寺倉清之(物質・材料研究機構)
原田信幸(株式会社日本触媒)
◎村井眞二(奈良先端科学技術大学院大学)
八瀬清志(産業技術総合研究所)

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