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三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 見学会 報告書をアップしました。

三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 見学会の報告

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日時:2014年6月12日(木)
場所:三菱電機株式会社 先端技術総合研究所
住所:尼崎市塚口本町8丁目1番1号
<参加者>
[カデット履修生]
理学研究科:今岡成章、寺岡満、飯柴拓也、溝手啓介、兒玉拓也、田坂駿、大場矢登
足立徹、秦徳郎、森川高典、則元将太
工学研究科:田中雄大、長崎裕介、阿部司
[スタッフ]  木村剛教授、飯島賢二特任教授、臼井秀知特任助教、田辺賢士特任助教
森本祐麻特任助教、橋本治子

●11:05 大阪大学豊中キャンパス出発

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バスの中では、飯島先生より三菱電機株式会社の冊子が配布され、本見学会の目的と心構えについての説明がありました。

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●11:30 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所到着
総務部人事課の担当者にお出迎えいただきました。
(*研究所内は、写真撮影禁止のため写真なし。)

●12:00-13:00 昼食
セミナー室にて三菱電機株式会社の社員の方々と同じ社食お弁当(400円)をいただきました。

●13:00 三菱電機(株)・先端技術総合研究所の概要紹介
総務部人事課の担当者より三菱電機株式会社の概要を紹介していただく。鉄道や人工衛星、エレベーター等社会インフラを支える製品開発、環境貢献を目指した経営戦略の紹介と、それらを支える先端技術開発を担当する先端技術総合研究所の取組みとトピックスについて紹介されました。

●続いて、計画部佐田安史氏が生産技術センターの概要を説明して下さいました。「生産技術」とは何か、工場のラインの効率化、Q(品質)、C(コスト)、D(量産)について説明していただきました。さらに、展示室に移動し現物を見ながら「生産技術」「ものづくり」について説明を受けました。

●13:40  ショールーム見学
先端技術総合研究所エントランス右側のショールームに移動しました。そして、エレベーターのゆれを起こしにくくする技術、鉄道システム統合シミュレーター、レーザー加工機、セル生産ロボット、録画テレビREAL、マルチワイヤー放電加工スライス技術、HTV、SiCパワーデバイス(省エネ追求)、EV用モーターデバイス、フルSiCインバーターについて説明していただきました。

●14:50 実験室見学
支給された三菱の黄色キャップをかぶって実験室に移動し、汚れにくさを追求したハイブリッドナノコーティングのデモを吉田氏に説明していただきました。キーワードは超撥水で、簡単に塗布できて高い撥水性を示す材料開発について実演を見ながら具体的に教えていただきました。

●15:30 ショールームに戻りリサイクル技術の説明
リサイクル開発者の村井氏にプラスチックのリサイクルの概要説明の後、プラスチックをリサイクルする際、細かく粉砕したものを選別していく過程で工夫したポイント、工場に展開する時の苦労について説明がありました。メーカーとしての責務を果たすため、進んでプラスチックマテリアルリサイクル(分析化学)を研究しているとのことでした。その後、分析部門の実験室に移動し、3台もあるTOFSIMS(ダイナミクスシムス等)や昇温脱離ガス分析装置、ガスクロマトグラフ装置、電子顕微鏡等を見学しました。

●16:00-17:00 カデット生自己紹介/研究所関連部門の阪大出身者との意見交換
グループに別れ、吉田氏、村井氏、清井氏、田中氏、藤本氏との懇談が行われました。

<主催した先生から>
研究の出口を見るという目的で、物質科学からは少し距離のあるシステムやインフラで事業をしている三菱電機の研究所を訪問しました。比較的身近なTVやエアコン、最先端のエレベーターや鉄道の駆動系や運行システム、産業用ロボットとその製造を支える生産技術までを紹介いただき、それらの実現を可能にしている物質科学の役割を確認できました。また、電機メーカーにおいては半導体や誘電体などの電子物性の研究ばかりでなく、有機化学や応用化学の研究が製品の実現に重要である事も理解できたように思いました。先端技術の状況ばかりでなく、生産技術では効率的なモノづくりへの取組みも紹介いただき、自らの実験室を反省した人もいたようでした。研究開発の話ばかりでなく、社員の方と同じ昼食をいただき、また階層別に社員の方との懇談も盛り込んでいただいたので、企業での研究開発実態や、日々のモチベーション等についてより身近になったのではないかと思います。アンケートではインターンシップの候補やキャリアパスの候補として考えたいという意見も見られ、有意義な見学会であったと思います。(飯島賢二特任教授)

<参加した学生から>
・一人ひとりが会社をよりよくしていこうという意識が取り組みという形で現れているのがとても印象的で、同じ研究を行う場所でありながらも大学の研究室と異なっている部分が見えました。

・三菱電機だけでなく、他の企業に関してもきっと言える事なのだと思うが、研究目的が全てお客さんであることはすごく実感できた。分野的に三菱電機に就職は難しそうではあるが、会社としてプラスチックの再利用などに注力している点からも、面白そうな会社ではあると思った。

・最後に働いている方との懇談はすごく身になったと感じています。同世代の方が三菱電機さんに入った理由が聞け、また、自分の仕事が会社の事業のどこの支えになっているかを的確に捉えられており、自らの研究態度を律するきっかけともなりました。

・ある一種の研究に固まるのではなく、パワーエレクトロニクスやインフラ、加工技術など分散して幅広く活動していることから、三菱電機という会社の強さが伺えました。研究設備を含めた働く環境は非常に整っており、研究テーマも社会に貢献できるような魅力あるものばかりでした。卒業後の道としての可能性は大いにありうると思います。

・我々は普段研究室という比較的閉鎖された中で生活しているので、企業の研究所見学というのは外の世界を知れるいいチャンスだと思った。大学の研究と企業の研究の違い、研究者の考え方の違いを改めて確認できた。自分がドクターを卒業してどういう道に進むか、道しるべになった一日だったと感じた。

・社会の至る所に三菱電機の製品が定着していることは知らず、とても驚いたと同時に、会社として堅実な事業を多く行っていると思った。インターンシップにも興味が湧いた。個々の部品などの開発や改良を行って、他の部署との連携によって製品を作っていけるのではないかと考えると、とても魅力的な仕事であると感じた。

・生産技術の向上や、実験装置の多さ、プラスチックゴミのリサイクル過程の自動化といった、研究を快適に効率よく行うための工夫に力を注いでいることがわかり、好印象だった。インターンシップで実際に研究をあの環境でしてみたいと感じた。

・国内にある数多くあるメーカーの中で、三菱電機がどういう位置づけにあるのかが最初の人の説明でわかった。それと同時に、他のメーカー(特に日立製作所とSONY)の見学にもいきたいと思った。

・三菱電機というと家電のイメージが強かったが、宇宙や交通など幅広い分野に取り組んでおり、非常に興味深かった。インターンシップではより化学の力を活かせることができるのならば行ってみたいと思った。
電気系の会社と化学というのはあまり結びつきが強いとは思っていなかったが、分析や物質の性質を制御するという点で活躍できそうで、将来の進路としてありだなと思った。研究所の人の生の声が聞けて良かった。このような機会が又あればぜひ参加してみたい。

・事前に個々のテーマを詳しく送った割には、一般的な内容にとどまっていた気がするので、いくつかのグループに分けて、個々のテーマに関連する事業内容を詳しく説明していただいた方が、学ぶことも多く、今後のインターンシップでのテーマ提案にもつながりやすいと思う。

・事前に私たちの研究テーマを把握してくれていたためか、説明が非常にわかりやすく、また、実生活に直結するところから説明してくれたので、とても親しみが持てた。

・エレベーターや電車など, 普段は目につかない社会のインフラの技術開発がどのようになされているのか具体的なイメージを持つことが出来て非常に勉強になった。 最初のプレゼンの中でチラっと, 「これほど社会の役に立っていると思える仕事はない」という言葉が出てきたが, 大学の研究以上に社会とのつながりを密接に感じることができる仕事であると感じ, インターンシップ, キャリアパスの候補としての期待は見学前より高くなった。

・新技術の創出に余念がなく、企業としての本分、利益追求もしっかりと行う。インターンシップでは業務内容に関われるということで、新しい事業に直接触れることができそう。本人の希望の部署につけない可能性もあるらしいが、三菱電機の事業なら希望と違うことでも研究のしがいがありそう。

・大学等に比べやはり企業なので儲けが第一であり、自分がしたい・興味ある研究ができないこともよくある点が大学との大きな違いであるという話が、なんとなく分かってはいたものの特に印象的だった。研究テーマが変わらざるを得なくなったときに、どう折り合いをつけるかが重要だと強調されていたのが心に残っている。

 

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