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第4回 固体物理セミナーを開催しました

固体物理セミナー
(平成27年度 第4回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)
日時:6月25日(木)13:00-14:30
場所:基礎工学部 D404講義室
講師:小田 竜樹(金沢大学理工研究域 数物科学系)
題目: スピン軌道相互作用が現れる低エネルギー現象と応用

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要旨:低次元性を示すナノ構造をもつ系では、原子位置において非対称なポテンシャルを受けることが多く、スピン軌道相互作用(SOI)に係る現象が重要となる。SOIは、電子スピン、電子運動量 、ポテンシャル勾配の三重積に比例する相互作用であり、大きさはおおよそ、Si 3p軌道では30meV、Fe 3dでは60meV、Pt 5dでは500meV程度である。温度に換算すると室温からその十数倍程度である。SOIを起源とするものに表面・界面のラシュバ効果、トポロジカル絶縁体の電子構造、磁性薄膜の磁気異方性等が議論されている。SOIは、スピンへの特徴的な有効磁場や、スピンに依存した特徴的なkp摂動、スピンと運動量に依存した有効電場といったようにいろいろな見方ができる。これらに応じていろいろな現象が観測される。また有効な電場・磁場に変化を与えることで電子状態や原子・磁気構造を変調させることが可能となる。こういったSOIは、小さいエネルギースケールを提供してくれるので、省電力を指向するデバイス機能には好都合である。セミナーでは、時間反転対称性が成立した表面から、絶縁体との界面をもつ磁性薄膜等を用いて、SOIの役割、電子状態、磁気異方性エネルギー、電界効果[1]を中心に解説する。
[1] Yoshikawa et al., Appl. Phys. Express 7, 113005 (2014)

問合先:吉田 博 (基礎工D棟319号室)
Tel: 06-6850-6405
E-mail:hiroshi@mp.es.osaka-u.ac.jp

 

 

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