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第6回固体物理セミナーを開催しました。

2014年11月6日(金) 13:00~14:30

大阪大学基礎工学部 A403講義室

講師名:松原 正和 准教授

講師所属:東北大学大学院理学研究科 物理学専攻

講演タイトル:「非線形光学効果を用いた物性探索」

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要旨:非線形光学効果は、物質に入射する光(あるいはDC電場)の強度を強くしていったときに生じる非線形電気分極によって生じる光学現象である。この効果は高次の光学プロセスによって生じるため、線形の光学効果と比べると圧倒的に強度が弱くなるが、線形の光学効果では得ることが難しい情報を得ることができるため、物質の性質を調べる重要な手段となる。本セミナーでは、非線形光学のイントロダクションからはじめ、磁性(スピン)によって誘起される第二高調波発生(SHG)、磁性と誘電性が絡んだ物質(マルチフェロイクス)におけるSHGを用いたドメイン観測など、非線形光学効果を用いた最近の話題について紹介したい。

 

<主催した先生から>

レーザー発見直後の非線形光学効果の発見といった歴史的なエピソードから始まり、非線形光学効果の基礎・応用を解説いただいた。さらに、第二高調波発生や第三高調波発生などの非線形光学効果が、物質とくに磁性体の物性を調べる手段として、如何に有用であるかを、自身のこれまでの研究結果(2次の非線形光学効果を用いたマルチフェロイック物質のドメイン観測、反転対称を持たない物質でも発現するMagnetic dipole起因の2次の非線形光学応答など)を紹介いただきながら、説明いただいた。非線形光学効果を用いて物性を調べるといったアプローチに必須の対称性の議論についてもわかりやすく説明いただき、質疑応答での議論も活発に行われた。

(木村剛教授)

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