プログラムの特徴Program Features

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プログラムの概要

本プログラムは、大阪大学が推進する「学際融合・社会連携を指向した双翼型大学院教育システム(Double-Wing Academic Architecture: DWAA)」の一環として設置される分野連携大学院プログラムです。異なる学問分野の知識と技術を融合した教育研究を通して、俯瞰力・独創力・高度な汎用力を身に付け、複雑化する社会的課題の解決に挑戦し、イノベーションを創出できる卓越した博士人材の育成を目指しています。2013年度に開始された「インタラクティブ物質科学・カデットプログラム」が培ってきた学際的教育の実績と理念を継承し、大学院学位プログラムとして現代的な体系へと発展させた取り組みです。

基礎工学研究科・理学研究科・工学研究科が連携して教育を提供し、基礎工学研究科(3専攻)、理学研究科(3専攻)、工学研究科(5専攻)の計11専攻を対象として、各専攻に所属する大学院生から選抜のうえ履修を認めます。履修生は、所属研究科・専攻での専門教育に加えて、本プログラムが提供する学際的な基礎素養を育む基盤リテラシー科目 や 学際教養科目、研究成果の伝達力を磨く発信力科目、協働や社会連携を通じて実践的に学ぶ実践体験科目を段階的に履修します。

これらの教育を通して、異分野の研究者・技術者と協働し、新しい価値を創出する能力、学術界・産業界・官公庁など幅広いセクターで課題解決に貢献する力を備えた人材を育成します。物質科学を核としながら既存の枠組みにとらわれない学びの環境を整え、将来の物質科学研究・事業を担う中核的人材を育成する大学院学位プログラムです。

プログラムコーディネーターから

芦田 昌明

インタラクティブ物質科学・カデット学位プログラム
プログラムコーディネーター

芦田 昌明

我々人類は現在、環境破壊やエネルギー不足など、このまま放置すれば人類の持続的な発展を脅かしかねない地球規模の課題に直面し、その解決を迫られています。近年の我が国においても、地球温暖化抑制に向けた低炭素化技術の開発、省希少金属問題への対応を目指す元素戦略、原子力に代わる再生可能エネルギー創出に向けた技術開発など、「物質科学」と密接に関係する諸課題の解決に向けた技術革新の必要性が一層高まっており、国家レベルのプロジェクトとして推進されています。

しかしながら、これらの課題は必ずしも個別に独立して存在するわけではなく、互いに複雑に影響し合っています。ひとつの課題を解決しても別の課題に支障をきたしたり、新たな課題を生じさせる場合もあり、個別の対応だけでは十分に対処できません。そのうえ、人類が直面する課題は時代とともに変化するものであり、10~20年後に人類社会がどのような課題に直面しているかを正確に予測することは困難であることは誰もが認めるところでしょう。

大阪大学では、物性物理、物質化学、材料・デバイス工学など物質科学に関連する広範な研究分野を専門とする教員が協働し、従来の「インタラクティブ物質科学・カデットプログラム」で培われてきた教育理念と実践を基盤として、これを大学院学位プログラムとして発展的に再構築しました。

本学位プログラムでは、現在注目されている物質科学に関連する個々の課題を念頭に置きつつも、それらにとらわれることなく、プログラム修了生が10~20年後にリーダーとして直面するであろう新たな課題にも柔軟に対応し、自らの能力を発揮して解決へ導く力を育成します。さらに、将来どのようなことが課題となるかを早期に見極め、既存の考え方や手法にとらわれず、自らのスタイルで新たな物質科学研究・事業のトレンドを創出できる人材の養成を目指します。

プログラムポリシー

物質科学を出発点とし、複雑な社会課題や急速に変化する国際環境に応答しうる博士人材の育成を目指します。博士前期課程および博士後期課程を通じて、以下のような力を備えた人材を育成します。

専門性と統合的視野
物質科学に関する深い専門性を基盤に、異なる分野の知と柔軟に交差する力を養います。そこから新たな問いを発見し、視点を統合しながら創造的に課題に取り組む姿勢を育てます。

課題応答力と社会実装力
物質科学の知見を社会の言語に翻訳し、現場に根ざした実践的な課題を見出す力を養います。多様な関係者と連携しながら、知の応用・展開・実装を通じて価値ある変化を生み出す力を育てます。

国際発信力と共創力
異なる文化や専門的背景を持つ他者と信頼関係を築き、共に課題に向き合う姿勢を育てます。自らの考えや成果を国際的な場で的確に発信し、協働を通じて課題解決に貢献する力を育てます。

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