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H30年度 第2回 固体物理セミナーを開催します

2018年5月23日

固体物理セミナー
(平成30年度 第2回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会) 

日時:7月5日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 講義棟 A403
講師:関 真一郎ユニットリーダー
(理化学研究所創発物性科学研究センター)
題目: 「磁気スキルミオンの生成と制御」

要旨:
近年、磁性体中において、磁気スキルミオンと呼ばれる粒子性を持った渦状スピン構造が安定化されることが発見され、大きな注目を集めている。スキルミオンの典型的な大きさは1〜100ナノメートル程度と非常に小さい。また、金属中のスキルミオンはスピン移行トルクやベリー位相を介して伝導電子と相互作用することが知られており、一般的な磁壁に比べて5桁以上小さな電流によって駆動できることが報告されている。こうした粒子としての安定性、ナノサイズの大きさ、電気的な手法による可制御性から、スキルミオンは次世代の超高密度・超低消費電力な磁気記憶素子のための新たな情報担体の候補として、近年盛んに研究されている。

 本講演では、特に(1)スキルミオンを安定化するための物質設計指針と、(2)様々な外場に対するスキルミオンの応答について紹介する。従来、スキルミオンの観測はキラルな結晶構造を伴った特殊な物質に限られていたが、最近ではより幅広い物質で普遍的に安定化されることがわかってきており、具体的な事例も交えながら一般的な物質設計指針について議論したい。また、最近では金属中の電流に加えて、ジュール発熱によるエネルギー散逸を伴わない、絶縁体中の電場やスピン流によってもスキルミオンを制御できることが提案・実証されつつあり、こうした最近の取り組みと、実際のメモリ素子への応用に向けた展望についても紹介したい。

問合先:鈴木 義茂(基礎工)

* 固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナールⅢ」に該当します。

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