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H29年度 第8回 固体物理セミナーを開催します

2018年1月18日

平成29年度 第8回固体物理セミナー

日時:1月18日(木)10:30-12:00
場所:基礎工学研究科 講義棟 B103
講師:井澤 公一 教授
(東京工業大学 理学院 物理学系)
題目:「多極子が織りなす新奇な基底状態と相図」

概要: 強相関電子系,特に希土類化合物やアクチノイド化合物など物質群(f電子系)において見られる,重い電子,磁気秩序,非フェルミ液体(NFL)的挙動,非従来型超伝導などの興味深い現象の多くは,f電子のスピン自由度にその起源を持ち,伝導電子との混成(c-f混成)強度を横軸にとったドニアック相図と呼ばれる普遍的な相図に基づいた議論により統一的に理解されてきた.一方,電子には電荷,スピン以外に,軌道の自由度が存在する.この軌道(多極子)自由度が活性で本質的な場合には,どのような電子状態が実現し,どのように理解すれば良いか,ドニアック描像のような普遍的描像で理解可能か,など非常に興味深い非自明な問題が存在するが,これまでほとんど明らかにはされてはいなかった.
 最近,我々は,電気四極子の自由度が活性なPr化合物PrT2Zn20 (T=Ir, Rh)の極低温高磁場環境下における輸送係数の測定を系統的に行い,磁場・温度相図を明らかにした[1] .本セミナーでは,その結果に基づき,多極子自由度が活性な系特有の特異な電子状態を紹介したのち,それらをどのように理解できるか議論する.
 [1] T. Yoshida, et al., J. Phys. Soc. Jpn., 86, 044711 (2017).

問合先:関山 明(基礎工学研究科教授)

※第8回は都合により第7回より先の開催となります。

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