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LUND大学 Ferdi Aryasetiawan教授による密度関数とグリーン関数に関する物質科学特別講義を開催します

1月4日(金)〜15日(火)

吹田キャンパス工学研究科 M1-412号室

スウェーデン・LUND大学よりFerdi Aryasetiawan教授をお招きし、
平成30年度インタラクティブ物質科学・カデットプログラム物質科学特別講義(物理系)を開催することになりました。

海外の大学でご活躍され、実績のある著名な先生から指導をいただける貴重な機会になります。
沢山の皆様に受講いただきますよう、お願い申し上げます。

以下 講義詳細

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講師: Ferdi Aryasetiawan教授 (Mathematical Physics, Lund University)

講義タイトル:Fundamentals of Density Functional Theory and Green’s Function Formalism

講義日時:
1月  4日 (金) 3限目 1st lecture
1月  7日 (月) 3限目 2nd lecture
1月  8日 (火) 3限目 3rd lecture
1月  9日 (水) 3限目 4th lecture
1月10日 (木) 3限目 5th lecture
1月11日 (金) 3限目 6th lecture
1月15日 (火) 3限目 7th lecture
同日     15:00-15:45 Special Lecture
講義室:吹田キャンパス工学研究科 M1-412号室

Course Objective:
The course is an introduction to Density Functional Theory (DFT) and Green’s function technique, both are essential for describing the electronic structure of real materials from first principles.
The former is the method of choice for computing ground-state properties while the latter is suitable for describing spectroscopic properties.
A wide range of materials properties can nowadays be computed using these two approaches.

Ferdi Aryasetiawan教授紹介:
https://www.lunduniversity.lu.se/lucat/user/20bdddfa4ab4d5e7de7b19a814c43466

カデットプログラム履修生募集説明会を開催します

カデットプログラム履修生募集説明会を開催します

12月14日(金)

カデットプログラムでは2019年度第7期生を募集するにあたり、履修説明会を開催いたします。
説明会では、プログラムの概要説明や皆さまからのご質問にお答えする機会を設けています。
来年度から大学院へご進学の皆さまは、この機会にぜひお越しください。

日時:12月14日(金)
13:00~14:00(吹田)工学研究科 C1-312講義室
15:00~16:00(豊中)基礎工学研究科 G棟2階 G215セミナー室

カデット国際シンポジウム「ISMS III」を開催します

カデット国際シンポジウム「ISMS III」を開催します

12月3日(月)・4日(火)

大阪大学豊中キャンパスΣホール

2018年12月3・4日に大阪大学豊中キャンパスΣホールにて、インタラクティブ物質科学カデットプログラム国際シンポジウム「ISMS III」を開催します。

詳細はシンポジウムホームページをご覧ください。皆さま方のご参加をお待ちしております。

詳細はこちら

香港大学との合同シンポジウム開催のお知らせ

香港大学との合同シンポジウム開催のお知らせ

12月3日・4日

12月3日~4日の日程で、南部陽一郎ホールにて香港大学との合同シンポジウムを開催します。
本シンポジウムは、カデット国際シンポジウム運営委員会と相談の上、同時開催で実施します。
カデット国際シンポジウム(ISMSⅢ)はシグマホール、香港大学シンポジウムは南部陽一郎ホールでの開催になります。
当日プログラムは後日アップロードしますが、分野は有機化学分野の発表になります。
学生によるポスターセッションはシグマホールの同一会場で開催予定です。
プログラムを参照にご興味のあるセッションにご参加下さい。

H30年度 第6回 固体物理セミナーを開催します

11月29日(木)

固体物理セミナー
(平成30年度 第6回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)

日時:11月29日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 シグマホール セミナー室
講師:喜多 隆 教授
(神戸大学工学研究科電気電子工学専攻)
題目:「量子ナノ構造を利用した高効率太陽電池技術の開発」

概要:
太陽電池は、太陽光を吸収することによって光電流を生成し、擬フェルミ準位が分離して発電します。 しかし、バンドギャップ以下の光は吸収されず透過し(透過損失)、波長の短い光は熱緩和(熱損失)によってエネルギーを失います。これによって太陽電池の変換効率は単接合であれば材料によらず原理的に32%が限界となります。この限界を突破するには、大きな透過損失と熱損失を抑制することが不可欠です。
このセミナーでは、単接合太陽電池の原理限界を突破するために取り組まれている技術と現状を紹介するとともに、今後より高い変換効率を実現するための取り組みとして最近注目を集めています量子ナノ構造を利用して根本的に変換効率を向上させる太陽電池技術について紹介します。

問合先:石原 一 (基礎工)

* 固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナール
III」に該当します。

平成30年度研究室ローテーション発表会を開催します

平成30年度研究室ローテーション発表会を開催します

2018年11月22日(木)

研究室ローテーションの履修者8名がそれぞれ3ヶ月間、他の研究領域の範疇に属する研究室にて
体験した異分野の研究の成果・今後の展望等について発表を行います。

【日時】2018年11月22日(木)10:30-12:00
【場所】豊中キャンパス(文理融合型研究棟・7階講義室3)

 

ストラスブール大学 Vladimir Torbeev先生による物質科学特別講義を開講します

2018年11月21日(水)

ストラスブール大学よりVladimir Torbeev 先生をお迎えし、プロテインケミストリーに関する
平成30年度インタラクティブ物質科学・カデットプログラム物質科学特別講義(集中講義)を開講することとなりました。

ストラスブール大学と阪大・カデットプログラムは友好関係にあり、毎年講師の交換を行っています。今回の集中講義はその一環としてで行うものです。
海外の大学でご活躍されている若い先生から指導をいただける貴重な機会になります。
皆様の積極的な受講をお待ちしております。

以下 講義詳細



平成30年度 インタラクティブ物質科学・カデットプログラム 物質科学特別講義(化学系)

講師:Dr.Vladimir Torbeev
(Institute for Supramolecular Science and Engineering, University of Strasbourg, France)
講義タイトル:Introduction to soft matter and molecular ferroelectric science

講義日程・場所:
11月21日(水)  1・2・3・4限目 豊中・文理融合棟 7階 講義室4
11月22日(木)  1・2・3・4・5限目(※) 豊中・文理融合棟 7階 講義室4
※5限目はセミナー
セミナータイトル:「Chemical protein synthesis to study protein structure and function」

Course objectives:
The aim of the course is to provide students with the basic fundamental knowledge of
protein chemistry and engineering as well as to illustrate practical applications in this field.
Students will obtain knowledge regarding the understanding of protein structure and factors
that contribute to the functions of proteins, methods of preparing proteins in laboratory,
as well as designing new proteins with defined structures and functions.

Vladimir Torbeev先生紹介:
https://isis.unistra.fr/laboratory-of-protein-chemistry-vladimir-torbeev/

ストラスブール大学 Vladimir Torbeev先生による物質科学特別講義ストラスブール大学 Vladimir Torbeev先生による物質科学特別講義

Mirosław Gałązka先生による ソフトマターの物理化学に関する集中講義を開講します

2018年11月14日(水)

ポーランド科学アカデミー・Mirosław Gałązka(ミロスロー ガラツカ)先生をお迎えし、平成30年度インタラクティブ物質科学・カデットプログラム物質科学特別講義(集中講義)が開催されます。
たくさんの皆様に受講頂きますようお願い申し上げます。

なお、当集中講義は、理学研究科・SISC統合理学特別コース主催で行われます。
理学研究科側で単位認定をされる方は、カデットプログラムの物質科学特別講義Ⅰ~Ⅲの単位と
ダブルカウントはできませんので、ご注意ください。


【主催】理学研究科・SISC統合理学特別コース
【共催】博士課程リーディングプログラム「インタラクティブ物質科学・カデットプログラム」
【講師】:Prof. Mirosław  Gałązka (Institute of Nuclear Physics,Polish Academy of Sciences)
【講義タイトル】:Introduction to soft matter and molecular ferroelectric science
【講義日程・場所】
11月14日 1・2限目 理学研究科・E210
11月21日 1・2限目 理学研究科・E204
11月28日 1・2限目 理学研究科・E204
12月12日 1・2限目 理学研究科・E211

Mirosław Gałązka先生による ソフトマターの物理化学に関する集中講義

詳しい講義内容はこちら

H30年度 第7回 固体物理セミナーを開催します

2018年11月12日(月)

固体物理セミナー(平成30年度 第7回)

日時:11月12日(月)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 講義棟 B104号室
講師:新見 康洋 准教授
(大阪大学大学院理学研究科)
題目:「超伝導スピントロニクス」

要旨:
固体物理で出現する代表的な相転移現象は、超伝導と磁性である。この二つの相は、スピンという観点に立てば互いに相容れない性質をもつ。しかし、近年の微細加工技術の進展により、サブミクロンスケールで超伝導体と磁性体を接合させることが可能となり、これまでバルク固体結晶では観測できなかった現象が測定できるようになってきた。本講演では、特にスピン軌道相互作用の強いs波スピン一重項超伝導体を中心に、超伝導体中でのスピン緩和[1]と、スピン流-電流変換現象[2]について説明する。
超伝導体の中には、従来型のs波スピン一重項ではないクーパー対を形成する超伝導体も存在する。本講演では我々が最近取り組んでいるd波スピン一重項高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+(Bi2212)原子層薄膜[3]や、p波スピン三重項超伝導体の候補物質と報告されているBiNi[4]に関する結果についても紹介したい。

[1] T. Wakamura et al., Phys. Rev. Lett. 112, 036602 (2014).
[2] T. Wakamura et al., Nat. Mater. 14, 675 (2015).
[3] S. Suzuki et al., Appl. Phys. Express 11, 053201 (2018).
[4] X.-X. Gong et al., Chi. Phys. Lett. 32, 067402 (2015).

問合先:水島 健(基礎工D棟318号室)
Tel: 06-6850-6441
E-mail: mizushima@mp.es.osaka-u.ac.jp

* 固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナールⅢ」に該当します。
* 第7回は都合により第6回より先の開催となります。

「第4回阪大院生 知の横断」開催のご案内

「第4回阪大院生 知の横断」開催のご案内

2018年11月3日(土)

昨年度大盛況だった阪大リーディング生企画の「阪大院生知の横断」が、
今年はまちかね祭2日目の11月3日(土)に開催されます。

詳細はこちら⇒

Tom Gregorkiewicz 教授による ペロブスカイトナノ結晶に関するチュートリアル講義が開催されます

2018年10月31日(水)

アムステルダム大学・Tom Gregorkiewicz教授によるチュートリアル講義が開催されます。
たくさんの皆様に受講いただきますようお願い申し上げます。



INSD NanoScience Seminar No.25 Colloquium on Green Nanomaterials
「構造機能先進材料デザイン学I, II, III」

【主催】 大阪大学国際共同研究促進プログラム
【共催】
・大阪大学工学研究科附属構造・機能先進材料デザイン教育研究センター
・大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター
・博士課程教育リーディングプログラム「インタラクティブ物質科学・カデットプログラム」

【日 時】 2018年10月31日(水) 16:00~17:30

【場 所】
・工学研究科マテリアル科学コース・会議室(R2棟2階319室)
・ナノサイエンスデザイン教育研究センター・セミナー室(文理融合型研究棟3階305室)

【講 師】 Prof. Tom Gregorkiewicz(Van der Waals - Zeeman Institute, University of Amsterdam)

【題 目】 Tutorial: Perovskite nanocrystals and its application to photovoltaics

Tom Gregorkiewicz 教授による ペロブスカイトナノ結晶に関するチュートリアル講義



 

Dr. H.Hirao, City U of Hong Kongによる物質科学特別講義・セミナーを開催します

Dr. H.Hirao, City U of Hong Kongによる物質科学特別講義・セミナーを開催します

2018年7月25日(水)

City University of Hong KongのDr. Hajime Hiraoをお迎えし、
平成30年度インタラクティブ物質科学・カデットプログラム物質科学特別講義(集中講義)を開催することになりました。

希望者には、物質科学特別講義(1単位)の付与も可能です。
沢山の皆様に受講いただきますよう、お願いもうしあげます。

以下講義詳細
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平成30度 インタラクティブ物質科学カデットプログラム物質科学特別講義(化学系)

講師:Dr. Hajime Hirao (Department of Chemistry, City University of Hong Kong)

講義タイトル:Introduction to Computational Chemistry

講義日時

8月21日 (火) 3限目・4限目
8月22日 (水) 3限目・4限目
8月23日 (木) 3限目・4限目・5限目(セミナー※)
講義室:文理融合棟7階講義室3 <本会場>
     産研第一研究棟3階F390号室<サテライト会場>

Course Objective:
Computational chemistry is nowadays an indispensable tool for investigating a variety of chemical phenomena at the atomic level. The availability of many elaborate software packages allows us to apply computational chemistry techniques to specific problems immediately without paying much attention to underlying theories. Although this black-box-like nature is in a sense a good aspect of computational chemistry, in this course, emphasis will be placed rather on discussing derivation processes and other details of a few fundamental concepts.

Hirao 先生紹介:
https://www.cityu.edu.hk/chem/profile/drhh.html

※Dr. Hirao によるResearch Seminar も合わせて開催をいたします。

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Seminar by Dr. Hajime Hirao
日時:8月23日(木) 5限目
Title:Applications of Computational Chemistry to Chemical Reactions
場所:文理融合棟7階講義室3 <本会場>
    産研第一研究棟3階F390号室<サテライト会場>

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H30年度 第5回 固体物理セミナーを開催します

2018年7月9日(月)

固体物理セミナー
(平成30年度 第5回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)
日時:7月25日(水)13:00-14:30
場所:基礎工学研究科 D404-408
講師:出口 和彦 講師
(名古屋大学大学院理学研究科)
題目: 「磁性と超伝導から見た準結晶・近似結晶の電子状態」

要旨:準結晶は、周期的ではない特殊な規則(準周期性)に従って原子が並んだ固体である。結晶と似た回折像が現れるが、その回転対称性は結晶では許されないものである。発見当初は第3の固体と呼ばれた準結晶も現在では広義の結晶と定義されている。結晶では様々な電子状態が解明されている。例えば、希土類元素・アクチナイド元素を含む結晶では、物質を様々な方法で f 電子の状態を制御することにより、長距離磁気秩序の近傍に量子臨界点を作り出し、重い電子液体や異方的超伝導など強相関電子物性に関係した多様な秩序状態を作り出すことができる。一方、準結晶についてみると、その特殊な原子配置の構造についての研究は大きく進展したが、準周期性に特有な電子状態に起因する物性(周期的長距離秩序や超伝導、電子間の斥力が重要になる強相関電子物性などに関するもの)は未解明の部分が多いと考えられている。
希土類元素を含むTsai型クラスターを持つ準結晶・近似結晶について量子臨界現象・磁性・超伝導の研究を行ってきた。Au-Al-Yb系の準結晶・近似結晶はYb3+(f 電子の全角運動量J = 7/2、有効磁気モーメントeff = 4.54B)とYb2+(J= 0、eff = 0)の中間価数のYbをもち、光電子分光の実験から価数揺動状態になっていることが示唆されている。特にAu-Al-Yb準結晶では、常圧・ゼロ磁場で磁化率、比熱のC/T、さらに核スピン格子緩和時間の(T1T)-1がT → 0 Kで発散する量子臨界現象が観測され、Ybの磁性・価数揺らぎに関係した非従来型の量子臨界現象および、それに起因する非フェルミ液体的挙動を示す[1]。一方、近似結晶では発散は示さず、近藤温度が数K程度の重い電子系のように見える。量子臨界現象の圧力依存性についての準結晶と近似結晶の対照実験から、準結晶の量子臨界現象は静水圧の印加に鈍感で測定圧力範囲内で量子臨界状態に留まる「硬さ」を示すのに対し、近似結晶は結晶における量子臨界点近傍の物質と同様に圧力に「敏感」な性質を示し、ある一定の圧力下のみで量子臨界現象が現れる[1,2]。この結果より、Au-Al-Yb準結晶の非従来型の量子臨界現象は準結晶特有の電子状態を反映している可能性が考えられている。
最近では、Ybの価数の状態が異なるTsai型クラスターを持つ近似結晶[3]や希土類がCeの近似結晶[4]についても価数・磁性に着目した研究を進めることにより準結晶・近似結晶における強相関電子系の磁性・量子臨界現象の実験が進展している。また、同様のクラスター構造をもつ物質探索を行いことにより2種類のAu-Ge-Yb近似結晶において超伝導が見つかった[5]。準結晶の超伝導については、Bergman型クラスターを持つAl-Zn-Mg準結晶において準結晶中の電子にも引力が働くことによりバルクの超伝導が発現することが明らかになった[6]。クーパー対の状態については明らかになっていないが、理論研究によれば、準結晶の超伝導は従来の超伝導とは異なるタイプの電子対を持っている可能性が期待されている[7]。
[1] K. Deguchi et al., Nature Materials 11, 1013 (2012).[2] S. Matsukawa
et al., J. Phys. Soc. Jpn. 85, 063706 (2016).[3] M. Hayashi et al., J.
Phys. Soc. Jpn. 86, 043702 (2017).[4] K. Imura et al., J. Phys. Soc. Jpn.
86, 093702 (2017).[5] K. Deguchi et al., J. Phys. Soc. Jpn. 84, 023705
(2015).[6] K. Kamiya et al., Nature Communications 9, 154 (2018).[7] S.
Sakai et al., Phys. Rev. B 95, 024509 (2017).
問合先:井澤公一(基礎工)

*       固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナール
Ⅲ」に該当します。

H30年度 第4回 固体物理セミナーを開催します

2018年6月11日(月)

固体物理セミナー
(平成30年度 第4回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)

日時:7月12日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 講義棟 A403
講師:藤森 淳 教授
(東京大学大学院理学研究科)
題目: 「ARPESから見た高温超伝導体の擬ギャップの起源」

要旨:
銅酸化物高温超伝導体における擬ギャップの起源について、発見から約30年を経た今も激しい論争が続いている。本セミナーでは先ず、これまで提唱されてきた擬ギャップ形成機構を整理し、それぞれを最近の実験結果と比較検討したのちに、母体がモット絶縁体であることから擬ギャップが生じる新しい機構を紹介する[1]。この機構では、ホールドープ系超伝導体と電子ドープ系超伝導体の間に擬ギャップやバンド構造に関するいくつかの対応関係や差異が予測されるため、ARPESによるこれらの関係の検証を通じた擬ギャップ形成機構の検証について述べる[2]。

[1] S. Sakai et al., Phys. Rev. Lett. 111, 107001 (2013);
[2] M. Horio et al., arXiv:1801.04247.

問合先:関山 明(基礎工D棟410号室)
Tel: 06-6850-6420
E-mail: sekiyama@mp.es.osaka-u.ac.jp

*       固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナール
Ⅲ」に該当します。

フランス・ストラスブール大学との合同シンポジウムを開催します

フランス・ストラスブール大学との合同シンポジウムを開催します

2018年6月11日(月)

6月14日・15日の2日間にわたり、フランス・ストラスブール大学よりゲストをお迎えし、
合同シンポジウムを開催いたします。

シンポジウムタイトル:
“Diverse Facets of Chemistry Ⅱ”

場所:大阪大学・豊中キャンパス・南部陽一郎ホール

参加予約不要、皆様のお越しをおまちしております。

本件問い合わせ先:インタラクティブ物質科学カデットプログラム事務局
06-6850-6403

H30年度 第3回 固体物理セミナーを開催します

2018年6月5日(火)

固体物理セミナー
(平成30年度 第3回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)

日時:6月20日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 講義棟 A304
講師:岡本 佳比古 准教授
(名古屋大学大学院工学研究科)
題目: 「5d遷移金属化合物における物性・機能開拓」

要旨:
銅酸化物・鉄系の高温超伝導体や様々な酸化物磁性体に代表されるように、3d遷移金属化合物は多彩な電子物性・電子機能を示す物質群として知られ、これまでに膨大な研究が行われてきた。これらの物性・機能の発現にとって、3d電子に働く強い電子相関が重要な役割を担っていることが多い。一方、本セミナーで取り上げる5d遷移金属化合物は、3d遷移金属化合物と比べて研究の蓄積は少ないが、強いスピン軌道結合や強い結晶場といった3d電子系と異なる特徴をもつことに起因して、全く異なる興味深い電子物性が発現する系として近年注目を集めている。本セミナーでは、我々のグループが取り組んでいる5d遷移金属化合物の物質開拓に関する、最近の成果を中心に報告する。特に、①一次元テルル化物Ta4SiTe4に現れる高い熱電変換性能、②型パイロクロア酸化物CsW2O6における立方晶-立方晶構造相転移を伴う金属絶縁体転移、③空間反転対称性をもたないIr・Pt化合物における新超伝導体探索、の3つの話題を取り上げる予定である。

問合先:関山 明(基礎工)

* 固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナール
Ⅲ」に該当します。

H30年度 第2回 固体物理セミナーを開催します

2018年5月23日(水)

固体物理セミナー
(平成30年度 第2回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会) 

日時:7月5日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 講義棟 A403
講師:関 真一郎ユニットリーダー
(理化学研究所創発物性科学研究センター)
題目: 「磁気スキルミオンの生成と制御」

要旨:
近年、磁性体中において、磁気スキルミオンと呼ばれる粒子性を持った渦状スピン構造が安定化されることが発見され、大きな注目を集めている。スキルミオンの典型的な大きさは1〜100ナノメートル程度と非常に小さい。また、金属中のスキルミオンはスピン移行トルクやベリー位相を介して伝導電子と相互作用することが知られており、一般的な磁壁に比べて5桁以上小さな電流によって駆動できることが報告されている。こうした粒子としての安定性、ナノサイズの大きさ、電気的な手法による可制御性から、スキルミオンは次世代の超高密度・超低消費電力な磁気記憶素子のための新たな情報担体の候補として、近年盛んに研究されている。

 本講演では、特に(1)スキルミオンを安定化するための物質設計指針と、(2)様々な外場に対するスキルミオンの応答について紹介する。従来、スキルミオンの観測はキラルな結晶構造を伴った特殊な物質に限られていたが、最近ではより幅広い物質で普遍的に安定化されることがわかってきており、具体的な事例も交えながら一般的な物質設計指針について議論したい。また、最近では金属中の電流に加えて、ジュール発熱によるエネルギー散逸を伴わない、絶縁体中の電場やスピン流によってもスキルミオンを制御できることが提案・実証されつつあり、こうした最近の取り組みと、実際のメモリ素子への応用に向けた展望についても紹介したい。

問合先:鈴木 義茂(基礎工)

* 固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナールⅢ」に該当します。

H30年度 第1回 固体物理セミナーを開催します

2018年5月22日(火)

固体物理セミナー
(平成30年度 第1回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会) 

日時:6月7日(木)13:00-14:30
場所:基礎工学部 A403
講師:村木 康二 グループリーダー
(NTT物性科学基礎研究所)
題目: 「半導体ヘテロ構造におけるトポロジカル相の研究」

要旨:
物質はその電気的な性質によって金属、絶縁体、とその中間的な性質をもつ半導体に分類されますが、ごく最近になって絶縁体の中には普通の絶縁体とは違う特殊な種類があることが明らかになりました。それらは「トポロジカル絶縁体」と呼ばれ、結晶の内部は絶縁体ですが、表面は金属のように電流を流し、しかもその表面の電子は不純物があっても散乱されない、スピンの向きによって電子の運動方向が決まっている、といった特殊な性質をもっています。さらに超伝導体にも普通の超伝導体とは異なる「トポロジカル超伝導体」が存在し、その表面に存在する準粒子がもつ特殊な性質を使うと、エラー発生率の非常に低い量子計算が実現できると期待されています。
 これら物質の新しい状態である「トポロジカル相」の研究が現在、世界中で精力的に行われています。本セミナーでは、トポロジカル相のもっとも基本的な形である2次元トポロジカル絶縁体について、基本的なことがらを説明し、講師自身が行っている半導体ヘテロ構造を用いた研究について紹介します。具体的には1)ヘテロ接合を作る結晶の格子定数の違いによって生じる結晶歪みを用いてトポロジカル相のバンド構造を制御できること、2)電界によってトポロジカル絶縁体と通常の絶縁体の間の相転移を制御できること、3)ヘテロ構造が反転対称性を破ることによって生じるバンドのスピン分裂をキャパシタンス測定によって観測できること、4)磁気抵抗振動にバルクのバンド構造のトポロジーを反映したBerry位相が現れること等についてお話しします。

問合先:藤本 聡(基礎工)

*固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナール
Ⅲ」に該当します。

H29年度 第7回 固体物理セミナーを開催します

2018年1月24日(水)

平成29年度 第7回 固体物理セミナー

日時:1月24日(水)14:40-16:10
場所:基礎工学研究科 シグマホール 1階セミナー室
講師:笹木敬司 教授
(北海道大学 電子科学研究所)
題目:「プラズモニックナノ渦場による物質マニピュレーション」

概要:
 近年、局在プラズモンが光をナノサイズの空間に絞り込む機能(光ナノアンテナ効果)を利用して光と物質の相互作用を増強する研究が活発に進められており、発光過程、ラマン散乱、光圧発生等の超高効率化の実現など新しい研究領域が拓かれつつある。しかし、光と分子のサイズをマッチングしても、分子の励起ダイナミクスを自在に制御することはできない。電気双極子遷移はナノサイズ光によって高効率に誘起できるが、四重極子遷移や高次多重極子遷移は光子と分子の「形状ミスマッチ」によって励起することはできない。そこで我々は、ナノスポットにおける光電場振幅・位相分布をナノスケールで制御する、すなわち、光子の形状をナノ空間でコントロールする「光ナノ成形」の研究を行っている。アイデアとしては、光渦ビームの運動量(波数)・スピン角運動量(円偏光)・軌道角運動量(螺旋波面)を局在プラズモンに転写し、光形状情報を保持しながら回折限界を超えてナノへのダウンサイジングを実現する。本講演では、光渦から金属ナノ構造への角運動量転写の解析、金属多量体ギャップ構造を用いたシングルナノメートル空間での光渦形成の解析、また、局在光渦場の光圧を利用して、ナノ空間における粒子の回転運動を誘起し制御する実験を中心に最近の研究の進展について紹介する。

問合先:石原 一(基礎工学研究科教授)

H29年度 第8回 固体物理セミナーを開催します

2018年1月18日(木)

平成29年度 第8回固体物理セミナー

日時:1月18日(木)10:30-12:00
場所:基礎工学研究科 講義棟 B103
講師:井澤 公一 教授
(東京工業大学 理学院 物理学系)
題目:「多極子が織りなす新奇な基底状態と相図」

概要: 強相関電子系,特に希土類化合物やアクチノイド化合物など物質群(f電子系)において見られる,重い電子,磁気秩序,非フェルミ液体(NFL)的挙動,非従来型超伝導などの興味深い現象の多くは,f電子のスピン自由度にその起源を持ち,伝導電子との混成(c-f混成)強度を横軸にとったドニアック相図と呼ばれる普遍的な相図に基づいた議論により統一的に理解されてきた.一方,電子には電荷,スピン以外に,軌道の自由度が存在する.この軌道(多極子)自由度が活性で本質的な場合には,どのような電子状態が実現し,どのように理解すれば良いか,ドニアック描像のような普遍的描像で理解可能か,など非常に興味深い非自明な問題が存在するが,これまでほとんど明らかにはされてはいなかった.
 最近,我々は,電気四極子の自由度が活性なPr化合物PrT2Zn20 (T=Ir, Rh)の極低温高磁場環境下における輸送係数の測定を系統的に行い,磁場・温度相図を明らかにした[1] .本セミナーでは,その結果に基づき,多極子自由度が活性な系特有の特異な電子状態を紹介したのち,それらをどのように理解できるか議論する.
 [1] T. Yoshida, et al., J. Phys. Soc. Jpn., 86, 044711 (2017).

問合先:関山 明(基礎工学研究科教授)

※第8回は都合により第7回より先の開催となります。

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