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H27年度 第7回 固体物理セミナーを開催します

H27年度 第7回 固体物理セミナーを開催します

2015年11月26日

固体物理セミナー
(平成27年度 第7回)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)
日時:11月26日(木)14:40-16:10
場所:基礎工学部 B105講義室
講師:石田憲二(京都大学大学院理学研究科)
題目: 「ウラン化合物強磁性超伝導体の研究」

要旨:強磁性とは我々に馴染み深い「磁石」のことで、電子スピンが平均するとゼロとならず、ある方向に自発磁化を持った状態である。これに対し電気抵抗がゼロとなる超伝導では、通常電子の合成スピンはゼロとなり、内部の磁束密度がゼロとなる。このように強磁性と超伝導は相反する物理現象であるが、以外にも強磁性と超伝導の共存の研究は1950年代より理論、実験の両面から研究されてきた。その結果、異なる電子スピンや結晶サイトで「すみ分ける」両者の共存の例は知られていた。
それでは、同じ電子が強磁性と超伝導の両方の起源になりうるであろうか? 電子が局在状態では超伝導にはなれないので、「鉄」のような遍歴強磁性状態が超伝導になれるのかという問題であるが、同じ電子による強磁性と超伝導の共存は永らく存在するとは思われていなかった。
このような中、常識を覆す報告が2000年ケンブリッジ大のサクシーナ(S. S. Saxena)らによってなされた[1]。彼らは、50 Kで強磁性を示すウラン(U)化合物のUGe2が、1.3万気圧程度の加圧により強磁性状態のまま0.8 Kで超伝導に転移することを報告した。この物質では強磁性と超伝導は同じUの5f電子に起因すると考えられ、超伝導研究者に大きな衝撃を与えた。現在までの精力的な研究により、4つのU化合物が強磁性超伝導体として知られている。なかでも今回取り上げるUCoGeでは、常圧において強磁性状態で超伝導を示す物質であり、強磁性と超伝導の関係、強磁性超伝導状態の物性を調べるには適している。
本講演ではUCoGeに対し、我々の行ったコバルト(59Co)核の核磁気共鳴(NMR)、核四重極共鳴(NQR)の実験を紹介し、強磁性と超伝導がミクロに共存しどちらの現象もUの5f電子に起因すること[2,3]、この物質の持つ特異な強磁性ゆらぎが超伝導の起源になっている可能性[4,5,6]を議論したい。

[1] S. S. Saxena et al. Nature (London) 406, 587 (2000).
[2] T. Ohta, et al. J. Phys. Soc. Jpn. 79, 023707 (2010).
[3] K. Karube et al. J. Phys. Soc. Jpn. 80, 064711 (2011).
[4] Y. Ihara, et al. Phys. Rev. Lett. 105, 206403 (2010).
[5] T. Hattori et al. Phys. Rev. Lett. 108, 066403 (2012).
[6] T. Hattori et al. J. Phys. Soc. Jpn. 83, 73708 (2014).

問合先:藤本 聡 (基礎工D棟411号室)
Tel: 06-6850-6440
E-mail:fuji@mp.es.osaka-u.ac.jp

※固体物理セミナーは、物性・未来(物性系)M2必修科目「ゼミナールⅢ」に該当します。

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