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カデットプログラム後援セミナー

2014年9月24日

日時: 9月24日(水)14:40~16:10
場所: 基礎工学部D棟4階D404-408共用セミナー室

講師: 和達 大樹 (東京大学物性研究所)
講演題目:「共鳴軟X線散乱で探る新しい秩序構造と将来展望」


 遷移金属酸化物は高温超伝導、巨大磁気抵抗、金属絶縁体転移などの興味深い性質のために、盛んに研究されてきた。これらの多彩な性質の背景には多くの場合 電荷/スピン/軌道の秩序現象が見られ、秩序状態を実験的に直接観測することが近年の物性物理学のテーマとなってきた。
 共鳴軟X線散乱は最近 急速に発展してきた実験手法であり、遷移金属の2pから3dへの吸収端のエネルギーのX線を用いて回折実験を行うことで、3d電子の軌道や磁気の情報を直接得ることができる。通常のX線散乱では強度の弱い磁気の情報が得られること、大きな共鳴により中性子散乱に比べ試料の体積がはるかに小さくても有効であるなど、これまでの散乱のデメリットを大きく克服した手法である。本講演では、この新実験手法により解明された新しい秩序構造について、特にコバルト酸化物微小単結晶で観測された多くの磁気周期の共存「悪魔の階段」につ いて示す予定である。
 この実験手法はSACLAなどのX線自由電子レーザー(XFEL)との相性がよく、赤外やテラヘルツレーザーによる励起下でのポンププローブ測定を行うことができる。このような時間分解型測定の現状と今後の展望についても述べたい。

問合先:木村 剛 (基礎工D棟405号室)     
Tel: 06-6850-6455
E-mail: kimura@mp.es.osaka-u.ac.jp

 

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