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第4回固体物理セミナーを開催しました。

2014.6.27 第4回 固体物理セミナー

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固体物理セミナー
(平成26年度 第4回)
(平成26年度シグマ講演会)
(インタラクティブ物質科学カデットプログラム講演会)

日時:6月27日(金)14:45-16:15
場所:基礎工学部 国際棟 Σホール
講師:十倉 好紀
(理化学研究所創発物性科学研究センター長)
題目:「固体の電気磁気応答を巨大化する」

概要:
固体の電磁応答は、電子物性の根幹であり、それを巨大化することは、電子材料を設計、開発する上でも重要な目標である。場としての電場と磁場が相互に時間 変化をすれば、両者の結合が生じることが電磁気学(マックスウェル方程式)の教えるところであるが、一方、固体中の電気と磁気の相関は単純ではない。固体 中の多数の電子は相互に絡み合い、思いもかけない電子状態を作り出し、また種々の電気的、磁気的秩序を創出する。一方、電子の相対論的運動は、電気と磁気 との新しい結合も生みだすが、これが多数電子の相互作用で著しく増強される。さらに、実空間(ナノの世界)や運動量空間(バンド構造)で電子が拘束された 運動(トポロジカル量子効果)を示す場合は、固体電子系に特徴的な創発電磁気学を生みだす。高温超伝導、巨大磁気抵抗、巨大電気磁気効果、トポロジカル物 性などの物性科学の進展を振り返りながら、これら、固体物性学の新しい考え方とその応用の可能性を考えてみたい。

 

<主催した先生から>
超弦理論で知られるProf. Michio Kaku著のPhysics of the Impossibleという導入から始まり、400K以上の超伝導転移温度、4を越える熱電性能指数など、その達成が困難と思われる電子物性機能性を、固体における電子集団の相関効果や量子凝縮系の波動関数のトポロジーに起因するトポロジカル量子効果を利用することで実現しようという十倉先生のこれまでの研究の成果をお話いただいた。具体的には、電子ドープ型銅酸化物超伝導体の発見、銅酸化物超伝導体の一般則の発見、マンガン酸化物における超巨大磁気抵抗効果の発見、マルチフェロイック物質における電気と磁気の新たな結合現象の発見、磁性体中における磁気スキルミオンの低電流駆動など、十倉先生がこれまで切り拓いてこられた様々な新奇物性現象に関して紹介いただいた。学部生を意識した初歩的な導入に始まり、最新の研究成果の報告まであり、初学者からシニアな研究者まで幅広い層にとって聴き応えのある大変充実した講演内容であった。聴講者も基礎工のみならず理学部など複数部局から多数の参加があり、シグマホールがほぼ埋まるほどの盛況ぶりであった。(木村剛教授)

 

 

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